意図を読み解き、一般向けにわかりやすくトレース。
ビルやマンションの設計図をもとに、CADソフトを使ってトレース図を制作しています。設計図には一般のお客さまには難しく読みづらい情報も載っているので、情報を取捨選択し、コンセントや照明などを描き加えながら、わかりやすく、見やすく作図します。図面を読み解く力と正確性が求められる仕事で、幾度となく修正を繰り返しながら仕上げ、タワーマンションなどの大型物件の場合は、制作に年単位の時間を要することもあります。CAD担当は10名ほど在籍していますが、一つの案件に1〜2名くらいで対応しています。仕様変更があった場合は図面集にも反映しなければならず、最後はスケジュールとの戦いになります。チームで連携しながら進めることはもちろんですが、「作業」としてこなすのではなく、修正の意図やポイントを一つひとつ読み解きながら図面集に反映することが重要です。
城や神社仏閣巡りで、構造や当時の生活様式を紐解く。
建物に関わる仕事をやっていることもあり、城や神社仏閣など大きな建造物を巡ることが好きです。現代のようにコンピューターで構造計算したり図面を描いたりできない中、地震の多い日本で大きな建物を造る技術には驚かされます。建物を巡る中で、「この配置は屋根の荷重を均等に分散させるためではないか」「ここに柱を持ってきているのは、風などの揺れ対策なのではないか」と想像して楽しんでいます。建物の仕様や間取り、大きな吹き抜けや天井の梁から当時の生活様式を紐解き、思いを馳せるのもロマンがあります。仕事で多くの図面を見ていることもあり、自宅のポストに投函されている新築分譲チラシの販売図面を見ていると、壁や収納の位置、生活動線上の使い勝手などが気になってしまいます。現在は首都圏の物件が多いのですが、今後は豪雪地帯の雪国仕様の建物、特徴的なリゾートマンションなど、エリア特性のある物件にも携わってみたいです。