デザイナー Tahara Ayumi

細部にこだわり、小さな引き出しの数を増やす。

大学のパンフレットやDM、入試広報ツールなど、教育関係のデザインを担当しています。ツールの性格上、テキストが多くなりがちですが、メリハリのないデザインだと読みにくくなってしまうため、訴求の優先度を考えながら情報を整理していきます。見出しと本文の文字サイズ比率であるジャンプ率、配色や配置など、細部に向き合ってとことん突き詰めていく必要があるのです。普段から街の広告やレストランのメニュー、自宅に届くDMなどを見て研究していますが、「なぜこの配置なのか」「もっとこうしたら見やすいのではないか」と自分なりの視点と解決策を考えるように意識しています。デザイナーというと独創的な感性が求められるイメージもありますが、奇抜なアイデアを出すことよりも日々コツコツと実直に向き合い、「小さな引き出し」の数を増やしていくことが大切だと考えています。

共鳴しあうことで、受け手への共感を生み出す。

小さい頃から歌が好きで、高校は合唱部の活動が充実している学校に進み、コンクールや海外での演奏会などさまざまな経験をしました。そのときの仲間と合唱団を結成し、今も活動しています。合唱はどのパートが欠けても成立せず、お互いが共鳴しあうことで相乗効果、化学反応が起き、人数以上のパフォーマンスを発揮します。一つのものをチーム全体で制作するという意味では制作の仕事も同様で、一人ひとりのスキルや意識、コミュニケーションの在り方が全体のクオリティを大きく左右するのだと思います。歌は、詩の世界観や作曲者の表現に自分自身の想いを乗せる作業ですが、音楽作りの過程で仲間との間に、そしてステージを通してお客様との間に生まれる「共鳴・共感しあえる瞬間」を味わえることが大きな魅力です。デザインも発信者の一方通行ではなく、受け手との共感を生み出すことが不可欠です。お客様の「伝えたいこと」と受け手の「知りたいこと」をデザインでつないでいきたいと思います。

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